過去の特定業種の経験は果たして役に立つのか?
どのような仕事でもそうかもしれませんけども、経験を問われることは少なくありません。
僕たちの携わるリスティング広告の仕事では特にその傾向は強いのではないかと感じる今日この頃です。「この業種詳しい?」とか「やったことある?」だとか、「CPAどのくらい?」みたいな、こういった話は毎日のように日々繰り替えされるわけです。そういった意味では経験は無駄ではないと思うのですよね。
ところが、クライアント側からはリスティング広告の経験値よりも、過去の特定業種の経験値の方が重要視される傾向があることに毎度驚かされるのです。
前述したとおり、特定業種は確かに貴重な経験値になるかもしれません。その経験値によりクリック単価の相場や獲得単価の目安を想定することは容易となるでしょう。しかし、その経験値は一見有利に働くこともあるでしょうが、業界を知っているが故に視野を狭め、憶測を誤り、不利に働く場合も少なからずあるのが現実です。そんな意味では必ずしも特定業種の経験は有利に働くということはありません。
僕はリスティング広告の経験値の方が重要でないかと思っています。さまざまな業種で数多くの経験(必ずしも成功体験ではなくてもよい、むしろ失敗体験を話せるような人間の方が希少)をしている場合の方が、物事を多角的に見ることができ、洞察が深く、独自の視点で作り上げたフレームワークを数多く保持している場合が多く、新しい市場ではそれらのさまざまなフレームワークを組み立て対処します。そんなプレイヤーが優秀でないはずがありません。
とはいえ、経験豊富なプレイヤーに特定業種の経験値が備わればいうことないですけどね。
「うちの業種は特別だから…」というどこかで聞いたことがあるとっても素敵なフレーズは永遠に語り継がれる魔法の言葉かもしれません。しかしながら、そんなに特別であることは稀であります。
店舗型ビジネスのリスティング広告集客術でも書き出しましたが、店舗型ビジネスだけでも、飲食店、美容室、エステ、ジム、英会話、料理教室、クリーニング、動物病院、治療院、接骨院、マッサージ店、リサイクルショップ…まだまだたくさんあるのです。あなたのビジネスだけが特別であるわけもなく、それぞれが異なる特性を持ち、さまざまな悩みを抱えています。
まとめます。過去の特定業種の経験は果たして役に立つのか?答えは、YesでもありNOでもあります。
リスティング広告業界のパラダイムシフトと競争激化といった現代のなかでは、1年前の施策が既に時代遅れとなるケースは往々にしてあります。そんな業界では、特定業種の経験だけにこだわり続けるのは非常にナンセンスなのではないでしょうか。
そんな状況ですから結局のところ、しっかりと相手の能力、取り組む姿勢を見極める、これが一番重要なことなのではないかと思うのです。その為には、納得するまで何かしらの形でディスカッションを行うことは必要不可欠であると感じています。
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