行動する為のデータ分析は8割程度で十分
1つの大きな決断を下すまでにある程度の時間をかけるのは非常に重要なことだ。要因にあたりをつけ、その箇所を細分化し、その裏付けがとれるまでに幾度も分析を繰り返し行うのは僕らの仕事にとっての生命線とも言える。
ただし、このデータ分析によって要因分析は行うことはできても、そのデータを元に初めから明確な解決策を出すことができるのは稀であるケースが多いかもしれない。分析する人や時期など、さまざまなパラメータが幾重にも重なりあい、それを正確に紐解くことは容易なことではないのだ。
正確な分析は確かに重要だ。政府の調査データや統計などであればそれは疑う余地はないだろう。ただし、ビジネスにおいてはその正確性の追求こそが”悪”になるケースがあるのではないかと感じている。ビジネス上において大切なのは8割程度の精度で素早くサイクルを回すことにではないだろうか。
特にリスティング広告やアクセス解析などの領域においての分析の大半は、定点観測などを除けば、「仮説の検証」であるケースがほとんどであろう。仮説を本当に有効活用するには必ずしも精度の高い分析が必要なのではない。初期の仮説をより早期にジャッジすることが出来れば、仮に仮説が当たっていると判断できれば早い段階で全力投下し、より多くの成果を上げることが出来る。仮に仮説が外れているのであれば、早い段階でプランBへのピボットが可能となり、リスクよりも可能性が高くなるだろう。
だからこそ、行動する為のデータ分析は8割程度で十分なんじゃないかと思うことが多い。いや、個人的には正確には8割でも多すぎるのではないかと思う。頻繁に遭遇するような例題と似たような状況であれば5割程度のデータでも十分にジャッジが可能だろう。
大石哲之氏(@tyk97)の名著、「3分でわかる ロジカル・シンキングの基本」でも同様のことが「調査と分析はクイック&ダーティーに」という形で記載されていたので紹介する。
一般に、データや分析の精度というのは時間をかければかけるほど、良くなりますが、90%を超えたあたりで、時間当たりの精度向上の曲線は鈍くなります。10%の精度を90%にするのと、90%の精度を95%にするのには同じくらいの時間がかかってしまいます。
~中略~
意思決定の材料になるのであれば多少荒くてもいい(ダーティー)から、スピードを重視する(クイック)というのが、クイック&ダーティーの考え方です。
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つまるところ、以前にも紹介したように、(仮説→検証→実行)、このサイクルをどれだけスピーディーに数多く回すことが出来るのか?これこそが”プレイヤー実力の差”なんだろうと思う。その為には「統計的に…」とか「一般的に…」といったこれまでの理論は通用しないし、過度な完璧主義であってはいけないのかもしれない。
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