リスティング広告の成果を上げるための7つのブレークダウン術
リスティング広告で費用対効果を上げるには…みたいな記述はいままでにも数えきれないほどにしてきましたが、今回はその集大成とでもいえるべきまとめをブレークダウン術として7つ選び出しました。
リスティング広告に関わらず、アクセス解析や他のデータ分析などでもこれらの分析を行って原因究明し、本当の問題を根本から見つけ出すことが可能となり、その問題点の解決方法をより具体的に導き出すことが容易になります。
リスティング広告の費用対効果を上げる7つのブレークダウン術
日別トレンドで追う
トレンドはさまざまな視点で見ることで多くの気づきを見つけることが可能になります。その中でオーソドックスではありますが非常に重要なトレンドの一つが日別トレンドになります。
月別トレンドではなく、更に細分化された日別トレンドを追うことで細かな変化に目を向けることが出来るようになるでしょう。動きの激しい商材やサービスを取り扱っている場合などは、この日別トレンドに大きな変化が表れやすく、その要因は自社だけでなく、競合の動向にも影響される場合が多いです。
時間別トレンドで追う
日別トレンドの中の1日を24時間に細分化してみることで、どの時間に購買意欲が高まっているのかを見ることが出来るトレンド、それが時間別トレンドです。
上図はGoogleAnalyticsによる時間別のコンバージョン率の流れですが、ECサイトはよく”20時-24時”あたりがゴールデンタイムと呼ばれますが、正直サイトによって異なる場合も多いので、自社のゴールデンタイムはいつなのか?を把握しながら、場合によっては時間帯配信も考慮することでより効率よくリスティング広告を配信できるかもしれません。
特に緊急性の高いお問い合わせ型などの場合だったり、深夜受付ができない場合だったり、B to Bなどの商材やサービスを扱っている場合などは、もしかしたら無駄な広告配信を行っているかもしれません。
曜日別トレンドで追う
日別トレンドを曜日別に並び替えたものが曜日別トレンドです。
扱っている商材やサービスによっては、ひょっとしたら特定の曜日の広告配信に効果はない、というデータが出てくるかもしれません。金曜や土曜は一般的なサイトは検索数や広告クリックが減少しがちですが、特定の条件などがそろった場合などは著しくすべてが上昇傾向になる場合があります。
こういった少々イレギュラーな曜日別トレンドを追い、リスティング広告の配信を行うことも実は非常に有効だったりもします。
大きな例ではB to Bの商材は土日に広告停止をしてしまう場合がありますが、社長が決済をするような中小企業向けの商材では土日の方が効率がよく獲得できる、なんてこともあるかもしれませんね。
エリア別で追う
一般的に日本全国に広告配信を行っているサイトさんが多いでしょうし、店舗型のサイトさんであれば店舗周辺(都内であれば一都三県)などに広告配信する場合がほとんどでしょう。
しかしながらほとんどのサービスの場合でエリア(都道府県)によって効果は大きく異なります。東京はコンバージョンが多いがCPA(獲得単価)が高い。福島はコンバージョン数がそこまで多くはないがCPAがずば抜けて安い。など、こういった傾向は往々にして現れます。
より良いエリアを見つけて、売上と獲得のバランスのとれた都道府県へ配信することで、より良い成果を上げることが出来るようになります。
余談ですがこれまでさまざまなサイトを見てきましたが、傾向としてあの県とあの県とあの県は総じてコンバージョン数が圧倒的に少ない傾向がありますが、県名を出すと叩かれそうなので伏せておきます。
参照:かなり便利!スポンサードサーチのあまり知られていない6つの便利技
商品別で追う
アカウント単位のCPAとコンバージョン数のバランスで施策の良し悪しを判断する場合が多いようですが、それではマストな施策とは言えません。扱うサービスがいくつかあるようであれば、サービスや商品ごとの利益率は異なるはずです。
サービスや商品ごとの利益率やリピート率から、適正な獲得単価を予め導き出し、そのそれぞれの目標獲得単価に合わせて施策を行ってください。
Google AdWordsではコンバージョンポイントをいくつか用意することができますし、コンバージョンポイントごとにコンバージョン価格を個別に設定することが可能です。
参照:コンバージョントラッキングの設定方法/AdWordsの始め方
ユーザー属性別で追う
ユーザー属性は新規ユーザーとリピートユーザーで分けることができます。リスティング広告は新規ユーザーだけを獲得するだけの広告ではなく、リピートユーザーを他社に逃がさない為に利用することも可能です。
上図はGoogleAnalyticsのアドバンス セグメントを使用してリスティング広告経由のユーザーを分析している図です。
獲得単価は変わらず、獲得数も上昇傾向。でも売上が減っている!といった事態に遭遇したことはありませんか?それらはこの新規ユーザーとリピートユーザーのバランスが崩れているのが要因の一つかもしれません。
通常であれば新規ユーザー獲得だけに躍起になるのが良い方法だと言われているかもしれませんが、実際にリスティング広告を出稿し続けていると一定のリピートユーザーも検索結果から再訪しているケースが多くみられるので、リピートユーザーを競合他社に逃がさないよう、一定の規模のリピートユーザーを獲得することも重要になってきます。
対策としてはさまざまな施策がありますが、一般的にはブランドネームに入札してリピートユーザーを競合他社に逃がさないなどの対策が考えられますね。
参照:アドバンス セグメントを使用してリスティング広告経由のユーザーを分析する方法
顧客購買単価で追う
顧客購買単価はこれまで上記で記載したものの掛け合わせでさまざまバージョンのものを出すことが可能です。
上図はGoogleAnalyticsによるEコマース機能にて、ユーザー属性別に特定のキーワード別での収益をだしたものですが、このように”どんなユーザーがいくら落とした?”を見ることが可能になり、リスティング広告ではどこに予算を集中化させるべきか?を明確にすることが可能になります。
リスティング広告の成果を上げるための7つのブレークダウン術/まとめ
今回ご紹介した7つのブレークダウン術は、大きなデータをより詳細にブレークダウンしながら分析することで変化や異なる傾向を探し出し、それらを改善することでより大きな成果を導くためのTipsになり、これらは限られた広告予算内でより良い成果を導くための施策にほかなりません。
本当は月次でも確認して大きなうねり、大きな流れも感じてほしいと思ってますが、”7つのブレークダウン術”と先に決めてしまったので敢えて7つに絞ってみました。
ただし、データは大枠で見ることも重要ですが、より詳細に、更には異なるさまざまな視点で客観視することも非常に重要です。勿論、費用対効果や収益面での視点などの経営的視点も必要不可欠であるということも忘れてはいけません。
今回紹介した内容は手前味噌で大変申し訳ないのですがプロが教える Google Analytics 実践テクニックという書籍で学べます。実践レベルで学べるのでお薦めです。GoogleAnalyticsに関してはどっちらかというと初心者向きで、これから使おうとしている人向けです。
また、こちらの書籍、リスティング広告 成功の法則でリスティング広告の考え方や施策の実働までを書き出していますので、興味がある方は是非!
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