リスティング広告に関わる会社の社員教育でオススメ出来る5冊+1
中小企業にとっての社員教育というのは永遠の課題であると共に、きっと完成形は無いのだろうなと思う昨今ですが、それらを助長してくれる一番のツールが書籍なのではないかなと思います。第三者の長年の経験から体系化された知識に付け加え、編集という強力なオーラを纏って物質化された物、それから得られる情報はネットで触れるものよりもいくばか権威性があり、すっと身に入っていくのかもしれません。勿論、そうじゃない場合もあるけれど。
年々おすすめする書籍は変わるわけですが、2013年現在で「これは最低読んでおかないと共通言語で話せないので厳しいよね」という書籍をご紹介したいと思います。良い感じで手前味噌も潜り込ませてますので、そのあたりご容赦くださいませ。
優れた知的生産力を高めるための書籍、イシューからはじめよ
言わずと知れたYahooのCOO、安宅さんの書籍です。本書を読むことで「優れた知的生産力」を手に入れることが出来るでしょう。はっきり言って仕事の量なんて無限にあるのですよ。どんな仕事だってより良い物を、よりスムーズに提供していくには改善の余地なんていくらだってある。完璧なものはないのだから、ビジネスはどこで妥協するかで勝負が決まる(これは僕がよく話すことだけど)。だからこそ、どこまでやるかの見極めが重要になるんです。この見極めを間違うからこそ成果が出ないんですよね。
そんな優れた知的生産力を高めてくれるのが本書です。過去に書評も書いているのでそちらも合わせてどうぞ。
参考URL:イシューからはじめよの書評
実際の安宅さんにお会いして色々お話をきかせて頂いたけれど、書籍の印象よりももう少し柔らかい印象でしたが、キレッキレだったのを覚えてます。天才肌と言うよりは、遥か遠くの視点を持ってるとんでもない努力家?という印象が強かったと覚えてます。
英治出版
売り上げランキング: 915
部分最適化ではなく全体最適化の視点を手に入れるなら、ザ・ゴール
こちらも既に読まれている方が多いと思われるエリヤフ・ゴールドラットの名著、ザ・ゴール。その昔楽天の入社時に読まされるという話を聞いたことがあるけれど、その真相は不明です。リスティング広告において全体最適化の視点は不可欠です。ザ・ゴールでは部分的な最適化に意味は無いと強調されて、全体最適化を如何に達成していくかがストーリー仕立てで描かれています。
この書籍は製造業を題材にしている部分が注目点なんですよね。あまりこの業界で語られることはないのだけれど、リスティング広告のアカウント最適化のアプローチは限りなく製造業に近いんです。だからこそ、こういった先人の知恵がおおいに荷役立つわけですね。ボトルネックの見つけ方や全体最適化へのアプローチの大多数はこの書籍を通して学ぶことができます。
エリヤフ・ゴールドラットはその他にもザ・ゴール2やクリスタルボールなど、数々の名著を出されているので激しくオススメします。こちらも書評ありです。ザ・ゴール2では思考プロセスを学ぶことが出来るので、絶対とは言いませんがオススメしてます。
参考URL:ザ・ゴールの書評
参考URL:ザ・ゴール2の書評
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 156
Eコマースの知識は必須。多くの視点を提供してくれる、売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則
コマースデザインの坂本さん、川村さんによる書籍でEコマースのノウハウが表題どおり100通り記載されています。リスティング広告のビジネスを行うのであればEコマース運営の経験があるのと無いのでは大違いなんだけれど、全員が全員そんな経験があるわけでもないのでこの本を読んでさまざまなイメージをもってもらっています。
例えば、1つの物を売る場合でも、どのように訴求するのか?そのように見せるのか?こういったものは人それぞれではあるものの、どういったアプローチがより良いのか?ベターなのか?といったフレームワークのようなものは実際にあるんですよね。こういった思考を学ぶことが出来るのが本書です。ランディングページの作成方法もBEAFの法則などで記載されており、多くのヒントを与えてくれます。こちらも書評ありです。
参考URL:売れるネットショップ開業・運営100の法則 書評
インプレスジャパン
売り上げランキング: 4,706
広告文に悩んだら、広告コピーってこう書くんだ
広告文作成100本ノックでも書いたのだけれど、リスティング広告に慣れた頃に必ずと言っていいほどぶち当たるハードルの高い壁が広告文(クリエイティブ)だと思うんですよね。どれだけリスティング広告に慣れても、これほど成長が見られない箇所も他にはないのではないかな。
そんな方々にオススメなのが本書です。本書では「広告コピーとはどう有るべきか?」の視点を筆者である谷川雅計氏の経験を踏まえ、さまざまな角度から教えてくれます。「広告文はセンスだ!」という一言で片付けてはいけないし(いや、実際にはあるんですけどね)、苦手なら苦手なり、もがくにももがき方があるわけです。そんな適切なもがき方が本書には詰まってます。改めて思うけど、コピーで飯を食うってすごいんですよね。
広告とはどういったものなのか?どう考えるべきなのか?を知りたければ、みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶ
ENEOSのCM、「ココロも満タンに」でもおなじみの仲畑 貴志氏の書籍です。文字は大きめだし、かなりあっさりと書かれていたりと、これまでに紹介した論理的思考法などの書籍とはテイストがかなり異なってきますけど、現場では広告業界の先人の知恵はどんなテクニックなんかよりも役に立つんですよね。
特に本書では「いちばん安い」という終末コピーについて解説していたり、煮詰まってしまった時の「もどる勇気」など、広告に関する重要な考え方や捉え方が数多く書かれています。リスティング広告から広告に携わるようになった方々はテクニック論に走りがちですけど、こうなってしまうとその場凌ぎは出来ても、問題の根本的な解決にたどり着くことはできず、良い結果には恵まれることはまずないでしょう。先人たちの素晴らしい知恵や経験があるのですから、それらを拝借しながら取り組むのが最短距離になるはずです。そういった意味で入門編としてオススメしています。
こちらも書評ありです。
参考URL:みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶの書評
宣伝会議
売り上げランキング: 27,671
リスティング広告とは何か?に答えられる方でもう少し深く踏み込みたい、という方には、新版 リスティング広告 成功の法則(手前味噌編)
はい、手前味噌です。ただ、リスティング広告とは何か?にある程度答えられる方が次のレベルに進む為には適切な書籍ではないかなと思います。ただ、完全なる初心者にはある程度難しいのかもしれないと思うようになったのも事実です。
実はAmazonのコメントで「難しい」とあったんですね。このコメントに対して数日間ものすごく考えたんですけど、この「難しい」は真理なんですよね。嫌がらせでもなんでもない。僕が立てた仮説はこうです。多分記載した方はこれからリスティング広告を学ぶ方で、全くの初心者であり、インターネット系の広告とは無関係。専門用語などはちんぷんかんぷんな状態でこの書籍を手にとってくださったのではないか?(本書内ではCTRとかCVSとかTDみたいな初心者を迷路に迷い込ませるような専門用語なんてほぼ出て来ませんが)仮にそうだった場合、やはり「難しい」になってしまうだろうな。
それから「もう少しこう書けたのではないか?こういうアプローチにすればもっと理解しやすかったかも」なんて日が続いたんですよね。内緒ですけど。まぁ、そんなこんなで全くの初心者には少し小難しい書籍になっているかもしれませんが、リスティング広告の基本のキは知っている状態なのであれば、本書がある程度役にたってくれるのではないかなと思っています。
ソーテック社
売り上げランキング: 1,125
まとめ
いかがでしたでしょうか?お気に入りの書籍はありましたか?いずれの書籍も類似する書籍を何冊も読み、信憑性に値するもの、読んでいて腹落ちするものだけをピックアップしています(手前味噌編以外は…)。この他にも実際にはここで書けないような既に絶版になっているとんでもなく良い書籍もいくつかあり、社内では共有していたりします。内緒ですけど。
また、これらの書籍を読んだからといって即戦力になるかというのもそうではないんですよね。書籍はただ読むだけでは意味が無いんです。これは真理です。読んで理解し、疑問をもって読み返す、そしてそれを自分なりに解釈をし、気になる箇所や直ぐに実行できそうなことは実行に移す。そうすることで初めて身につくものだと思うのです。
特に読書初心者は、読むことによって満足感を得てしまう傾向があるので、読むことが目的にならぬように気をつけて見てください。書籍を読むのは何のため?この思考を繰り返せば、書籍を読む本当の目的にたどり着くことが出来るはずです。書籍があなたに与えてくれるのは何かしらのキッカケだけ、とも言えるかもしれないですね。
最近の記事
- 今、付き合っている運用型広告代理店は大丈夫なのか、今後どのように運用型広告代理店を選定しどのように付き合うべきなのか、を見極める術2016年09月28日
- 経営の力2016年03月11日
- 当たり前のことを当たり前にこなす人は総じて「当たり前のレベル」が高い2016年03月07日
- これから独立する君へ知っておいてほしい15のこと2016年02月10日
- 2015年に読んだけど紹介しなかった良書13選2016年01月18日