Yahooショッピング無料化でリスティング広告業界はどのような変化が訪れるのか?
一昨日、10/7に発表されたYahooショッピング無料化で僕の周りは大賑わいです。
それもそのはず、リスティング広告事業者のクライアントさんのほとんどはECサイトを運営している傾向があり、更には独自ドメインを持つECサイト事業者の方々のほとんどは、楽天やビッターズ、更には今回無料化へと大きく舵を切ったYahooショッピングなども同時に運営している傾向があるから他人事ではないのですよ。
今回の無料化に伴い、さまざまな思惑や予測が多くの箇所で書かれていますが、コマースデザインの坂本さんがまとめている以下の記事を読めば今回のYahooショッピング無料化について一通りのことを学ぶことが可能です。
参照記事:yahooショッピング無料化についてまとめ(前編)
誤解を恐れずに言えば、個人的に今回のYahooショッピング無料化についてのYahoo側の一番の狙いを考えるのであれば購買履歴データだと思う。さらに言えば、Yahoo網を含めたユーザーの横断的なユーザー行動データの取得が狙いなんじゃないかな。坂本さんも以下のようにまとめていて、僕も同意。
購買履歴データが狙い?
スタンダードになってトラフィックが取れれば、ガンガンに多ければ何でも出来ちゃうし。決済とか。広告とか。購買データとか。ネットショッピングと、Tカードを使った実店舗での購買履歴がくっついてビッグデータとして活用されたり。
リスティング広告に与える影響
さて、ここからが本題です。今回のYahooショッピング無料化によってリスティング広告業界はどのような影響を受けるのかを考えてみましょう。かなり憶測なので自己責任でお願いしますね。
- Yahoo網を含めたユーザーの横断的なユーザー行動データ
- 精度が高い購買履歴データによる広告配信(YDNしかり、スポンサードサーチ)
- 広告収入の増加
Yahoo網を含めたユーザーの横断的なユーザー行動データ
まずは先に上げた「Yahoo網を含めたユーザーの横断的なユーザー行動データ」を利用したYDNの配信。これまでよりもさまざまな形でYDN配信を行うことが出来るようになって、精度もあがってくるかもしれないのが1つ。
精度が高い購買履歴データによる広告配信(YDNしかり、スポンサードサーチ)
2つ目は「精度が高い購買履歴データによる広告配信(YDNしかり、スポンサードサーチ)」だと思う。どういうことかというと、Yahooショッピングの購入データはYahoo側でしか取得出来得ないものであり、これはGoogle側では今のところ絶対にできていない部分だからYahooの強みになるはず。「コンバージョンタグを入れていればGoogleでも購買履歴データを取得できるじゃないか!」という反論もあるかもしれないけど、それは出来ないんですよ。コンバージョンタグの設置は任意であり、しかも購買ポイントだけとは限らないのだから。(メルマガ登録などが典型的な例)このデータはYahoo側しか使えない強みかな。これが更に増えるとなれば精度も高くなる。
広告収入の増加
そして3つ目。「広告収入の増加」です。これを安易に考えれば現在もYahooショッピングにはYDNや他の広告が出ているからこんな思考になるみたい。「Yahooショッピング無料化→出店数増加→出店品数増加→訪問者増加→アクセス増→広告単価高騰→広告収入増加」こんなイメージが多いでしょうけど(勿論それもあるけれど)、本線はそこではない気がしています。本線はYahooショッピングへのダイレクトなリスティング広告誘導ではないかと思うのですよ。そうなると以下の記事なんかはまさに煙幕。
参照記事:ヤフー社長、出店無料「必ず成功」 減収は広告で補う
今回ストア出店料などを無料とすることで、四半期の連結売上高に対して、2ケタ億円の減収要因になる見通し。ただ、ヤフーは出店数増加を見込み、サイトでの商品露出を大きくして目立たせたい場合などの広告収入を収益源として成長させ、出店料無料化に伴う減収分を補う方針だ
リスティング広告という仕事を始めてから本当に多いのが「楽天へのリスティング広告出稿依頼」です。ご存知の通り、楽天やYahooショッピングなどのショッピングサイトへのタグの挿入はほぼできないといっても過言ではないでしょう。これがYahooショッピングだけでも解放されるということになれば、Yahooショッピングへのリスティング広告誘導が可能になるわけで、これによるYahoo!プロモーション広告自体の収益にも大きく貢献するでしょうね。楽天よりも優勢性が更に上がるという意味でも凄いことになりそう。
これ、個人的には大変胸アツな事態に発展します。実際にはドメイン問題(原則として同一ドメインは同一キーワードで広告配信は出来ない。まぁ一種のバグで出る時も多いけど…)もあるのでこの辺がどう変わっていくかもこれから見逃せませんね。これが本線ならば現在のようにGoogle側の仕組みを使っていればポリシー上NGになってしまうので、来年辺りライセンスを外すとか、ライセンス外してパナマ的なものが再来するとか、いろいろな憶測をしてしまうのですよね。
3つ目の最後は憶測の中でもかなり遠い目で、更には顰め面みて欲しいレベルですけどね。
まとめ
まとめきれていませんが、今回のYahooショッピング無料化に伴ってさまざまな業界に激震が走ることは間違いないでしょう。書きだしたようにリスティング広告業界も無傷では済まないし、それ以上の恩恵も待っているかもしれません。月初のレポート祭りと訪問、出張などが立て続けの上にこんな大きなニュースがあっての情報収集やまとめとか、何かと慌ただしい状況ではありますが、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
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