2015年末に検索連動型広告の全クリックの50%をモバイル端末が占める見込み

モバイル端末(ここでのモバイル端末とはスマートフォン、タブレットを指します)の急激な普及により、電車やバスで通勤している方々だけに限らず、スマートフォンやタブレットを利用している人を見かけないなんて日はないのではないでしょうか。モバイル端末はビジネスのみならず、プライベートでも今では欠かせないものになりました。

私たちがターゲットとしてペルソナ建てしているような消費者は、常に何らかのモバイル端末を介して他の消費者とつながっていたり、私たちの発信しているリスティング広告と接点を持つ機会が増えているとも言い換えることが出来ます。

そんなモバイル端末について興味深いレポートがマリンソフトウェアから発表されていたので私の知っている限りで着色しながらご紹介します。

Googleの広告収入におけるモバイル比率

marinsoftware_downloads1
Googleの広告収入におけるモバイル比率は2015年には30%を超える見込みです。これはGoogleが2005年に行った、アンディ・ルービン率いるAndroid社への先行投資が花開いた証拠とも言えるでしょう。今でこそ当たり前ですが、モバイル端末を制するということは、検索のみならず、広告事業そのものを変えてしまうことだったのかもしれません。この先の未来はわからないけど、現時点では凄いの一言。勿論、この収益を爆発的に引き上げているのは昨年行われたエンハンストキャンペーンの影響もあるはずです。

※余談ですが、アンディ・ルービンはAndroid社が買収された際に高級車にのってGoogleに出社した際、厳しく注意されたそうです。富をひけらかさない、といった文化のためだそうです。僕はこういうGoogleの文化が好きです。どうでもいいですね。

モバイル端末からのクリックのシェア

marinsoftware_downloads2
これは2013年のデバイスごとのクリックのシェアの推移ですが、スマートフォンからの検索連動型広告のクリック数が検索連動型広告全体のクリック全体に占める割合の多くを占めていることがわかります。2013年1月時点の21.8%から12月には34.2%へと増加しており、この期間にほぼ2倍近くに増加しています。驚異的ですね。

モバイル向け広告予算のシェア

marinsoftware_downloads3
クリックのシェアのみならず、予算のシェアも必読です。2013年1月時点で19.3%だったシェアが、12月には27.9%と、予算総額に占めるモバイルのシェアは45%も増加しました。2014年末には、モバイル端末向けが検索広告予算全体の3分の1を突破するものとマリンソフトウェアは予測してます。勿論、モバイル端末に向いている広告主とそうでない広告主がいる一方、そういった境界線をしく事自体がネガティブな思考であるという時代が来ているのかもしれません。

デバイス別平均CPC(クリック単価)とCPCの推移(2013年の前年比)

marinsoftware_downloads4
あなたがリスティング広告プレイヤーであればデバイス別平均CPCは肌感でもわかっているとは思いますが、スマートフォンはPCやタブレットと比較して比較的安いCPCで1クリックあたりを稼ぐことができます。

marinsoftware_downloads5
ただし、そのスマートフォンのCPCはPCを2倍近く上回る勢いで上昇傾向にあります。これはスマートフォンやタブレットなどの広告掲載面の奪い合いから起こる減少ではないかと筆者は予測します。ほとんどのクライアントで上位に出稿したいキーワードは被ります。検索連動型広告の掲載順位の半分はオークション(※注1)で出来ていますから、ある程度のCPC高騰はいつの時代も通過しなければいけない試練の一つです。

(※注1)
検索連動型広告の広告掲載順位は「入札価格×品質スコア」で導き出される「広告ランク」で決定されています。これは毎回テストに出るので覚えておきましょう。

デバイス別平均コンバージョン率(2013年)

marinsoftware_downloads6
スマートフォンはPCと比較してCPCが安い、と前項で書きましたが、その反面、コンバージョン率は低めに推移することが多いのも現状です。これはさまざまな要因が考えられますが、一番は誤クリックの誘発によるものであったり、サイト上の情報不足など、多くの要因があると言えるかもしれません。

このマリンソフトウェアのデータの取得方法や算出方法まで理解していないのでここからは私の憶測ですが、このデータにはクロスデバイストラッキングの概念までは利用していないのではないかと思っています。クロスデバイストラッキングの概念が利用されていれば、スマートフォンの貢献度は更にあがるはずです。

今後、Googleはクロスデバイストラッキングに注力します。クロスデバイストラッキングとは簡単に言えば「スマートフォンで情報を探し出し、PCやタブレットなどで意思決定をするユーザーを計測する」ことです。普通に考えれば当たり前の行動ですよね?でも、これまではデバイスを跨いでしまうことからこれらの正確なトラッキングは不可能でした。それを可能にする概念がクロスデバイストラッキングです。これにより、これまでのCPA(獲得単価)の概念も、トータルCPAへと移行していく流れが確実に来ます。(※注2)

(※注2)
Googleでは既にクロスデバイストラッキングをGoogle アドワーズ上に導入しています。クロスデバイスコンバージョン数は、[推定合計コンバージョン] 列の値に含まれています。

広告予算のシェア(地域別)

marinsoftware_downloads7
そして最後に広告予算のシェア(地域別)です。日本が如何に異質な国かわかりますね。モバイルにかける予算の比重が他の国を圧倒しています。これはスマートフォンに勝機がある国とも言えるかもしれません。

まとめ

リスティング広告において、限られた予算をどこにかければ効果を最大化できるのか?といったポートフォリオ思考は最重要の思考になります。今までスマートフォンを流し目でみていたり、そもそも配信自体を弱くしているようであれば、今一度意識を変える必要があるかもしれませんね。

ここで紹介した以上に面白いデータが含まれたホワイトペーパーでしたので、ご興味がある方は以下よりどうぞ。

参考:http://www.marinsoftware.jp/resources/whitepapers/mobile-search-advertising-around-the-globe-2014-annual-report

※Wantedlyにて弊社の求人を掲載してます。リスティング広告経験者、アプリ開発経験のあるエンジニアの方、結果にこだわりたいデザイナーの方など、是非お話しましょう!
https://www.wantedly.com/projects/2987

※こちらでも詳細記載しております。
アナグラム公式サイト│採用ページ
アナグラム│Greenページ

執筆/掲載記事

▲