リスティング広告プレイヤーの抱える3つのジレンマ


2002年に登場して以降、未だ衰えを知らないリスティング広告市場は2012年も益々上り調子でございましょう。業種によってはガチガチなインファイト的な施策を求められるケースもあり、投資効率の観点から”撤退”を余儀なくされることも少なくはないわけではありますが、さまざまなリリースなどを見る限り総体的に言えば未だ衰える形跡はありません。

そんなリスティング広告ですから、プレイヤーも増加の一途を辿っているのではないかと感じることが最近も増え続けております。

ただし、需要が増えるということは競合も増加の一途を辿っているのも事実で、昨年と同じことは今年には通用しないことはザラですし、去年の競合が今年の競合であるとも限りません。

そんなリスティング広告市場だからこそ、リスティング広告プレイヤーが抱えるジレンマがあります。

成果を向上させ続けなければならない

前述の通り動きの激しいリスティング広告において現状維持は不合格、場合によっては”死”を意味します。

売上、利益に直結する即効性の高いリスティング広告では、施策開始の初月にコンバージョンが大幅に増加すればこれでもかというほど感謝されますが、リスティング広告プレイヤーはそれを維持し、成長させ続けなければなりません。

良い時と悪い時、この差が激しいが故にプレイヤーには大きなプレッシャーが掛ってしまうことも、離職率の高い職種と言われる一つの要因かもしれません。

コンバージョンが増加し、売上が上がらないジレンマ

所謂、コンバージョンの質の問題です。「コンバージョンが増加したのに、売上がさほど変わらない」といった現象は一定層を越えたクライアントで見受けられる傾向があるようです。

これはお申し込み後のキャンセルだったり、無駄な問い合わせだけを増加させてしまうケースが考えられますが、このあたりはリスティング広告を運用しているだけのプレイヤーではなかなかその温度感を掴むことは難しいのが現状です。

改善策としてはよりクライアントと密接につながること以外には存在しません。例えばAというキーワードカテゴリーを強気に攻めた場合とBというキーワードカテゴリーを強気に攻めた場合とで、どちらのタイミングで多くの売上を立てることができたのかなど、ある程度の精度の高い仮説をもとにどういったタイミングで利益を最大化できるのかを見極めていかなければなりません。

施策の多様性による作業負荷の増加

既に何度か記述していますが、リスティング広告(特にGoogle AdWords)は新しい機能が日々追加され、今現在でもGoogle AdWordsはいくつかのプロダクトを常時テストしています。僕たちはそれらの機能の特性や性質を予め見極め、自身のクライアントに本当に有効活用できるかの判断を行い、競合よりもスピーディーに実行していかなければなりません。

また、ここ最近ではスマートフォンやタブレットでのボリュームが留まることをしりません。それらによりPCとは全く異なるスマートフォン特有のデバイスの設定が必須事項になってくるケースも多くなってきています。ということは、単純に作業ボリュームが増加してしまうため、リスティング広告プレイヤーは更なる作業負荷に陥ります。

参照:スマートフォンの普及によりPCからの流入が減少する日

その他にもアトリビューションへの対応だったり、広告効果測定ツールへの対応など、やらなければいけないことは多岐に渡ります。

リスティング広告プレイヤーの抱える3つのジレンマ/まとめ

成果を向上させ続ける使命がある。そしてどこよりも市場特性を理解し、新しい施策に早い段階で取り組む必要があり、施策の多様性は増すばかり、それ故に常に学び続けなければ成果を向上させ続けることは難しい、それがリスティング広告というお仕事です。
※どんな仕事でもそうですね。

そして売上、利益に直結する即効性の高いリスティング広告だからこそ、プレッシャーが大きく、それ故にしんどいと感じてしまう仕事ではあるのかもしれないけれども、その反面、非常にやりがいのある魅力的な仕事なのではないかと僕たちは思います。

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