ファンクショナル・アプローチ基礎研修へ行ってきた


2011年3月19日~21日にかけて、ホテルニューオータニで行われたファンクショナル・アプローチ基礎研修へ行ってきました。

ファンクショナル・アプローチと言えば、問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめでお馴染みの横田 尚哉氏ですね。個人的には情熱大陸で横田さんを知りました。

各書評でも記載していますが、正直、僕は書籍だけでは若干の”消化不良”でいた為、どうしてもご本人から実際にどのようにファンクショナル・アプローチを活用されているのかをお聞きしたかったというのが本音で、ファンクショナル・アプローチ基礎研修へ参加しました。
(いや、すごくいい本なんです、いい本なんですが、良い本だけにより活用しなければと思うとなかなか…)

というわけで、今回のエントリーではファンクショナル・アプローチ基礎研修の3日間の全てを紹介してみます。と、言いたいところですが、有料の基礎研修であり、かなりのボリュームになるので、私の記憶と画像の限りを尽くし、主要となる個所だけを記載していきたいと思います。

※注意点
この記事は今回の基礎研修で学んだ内容を私の主観でまとめたものであり、すべてのファンクショナル・アプローチにおいて正しい記述・表現であるかどうかを保障することができませんので、この記事だけでファンクショナル・アプローチを知ったことにはなりません。あくまで簡易な形式をみることが出来る記事になっています。ご注意ください。

ファンクショナル・アプローチ基礎研修:1日目

ファンクショナル・アプローチ基礎研修は1テーブル5名ほどのグループ単位でディスカッションしながら、同じ目標に向かって進めていきます。

初日は自己紹介から始まり、ファンクショナル・アプローチの概論、歴史、定義、原則、手順などを説明して頂いたあとに、グループごとに対象テーマを決め、その対象テーマに対してのファンクショナル・アプローチを展開していきます。

まずは対象テーマのさまざまな角度からの情報収集を大きな紙に書き出していきます。


1日目のランチはホテルニューオータニ特性ビーフカレー。備付は沢庵と奇抜です。だれも突っ込まない為、心の中で突っ込んでました。


上記で書き出した対象テーマの情報を構成要素ごとに分解します。分解し、さらにその構成要素ごとにさまざまなファンクションを導き出し、記述していき、それらを付箋に書き出していきます。

ファンクションとは?
ちなみに、ここでのファンクションとは、機能という意味だけではなく、役割、働き、意味、意図、効用、目的などの意味として用いています。全てのモノにファンクションは存在しています。


作成した付箋を元に、FASTダイアグラムを作成します。

FASTダイアグラムを作成する過程で、どうしても足りないものが出てくる場合がありますが、新しいファンクションを増やすのも可能です。その際には常に「~をするのは何のため?」を合言葉に進めていきます。

FASTダイアグラムとは?

VE (value engineering)で用いられる、図表で、製品やシステムなどが提供する基本機能を明らかにするとともに、それを支える補助機能の従属/独立関係を明らかにする。FAST手法のステップを踏んで機能を整理した成果物として得られる。

まぁ、ロジック・ツリーというとわかりやすいかもしれません。FASTダイアグラムの作り方は横田氏が詳細に動画でも解説しています。

FASTダイアグラム作成途中で1日目終了です。

これだけ見てると「やってること少なくね?」と感じている方も多いと思いますが、正直、ものすごい脳みそに汗かきます。。。

個人的にロジック・ツリーを作るのは日常化していますが、このFASTダイアグラムはちょっと違うんですよね。簡単に言えば、下流から上流に向かっていくのがFASTダイアグラムで、上流から下流へのトップダウンの仕組みがロジック・ツリーかなと解釈してます。

ロジック・ツリーもFASTダイアグラムも一長一短だと感じてますが、FASTダイアグラムのメリットは下流から上流に上がっていくにつれて、上流の固定概念を崩すことができることだと思います。そういう意味で、FASTダイアグラムは非常に有効ですね。

その証拠に初めに問題点だと思っていた箇所はそんなに大きな問題ではなく、最終日には全く違う問題点が最大の改善個所であることに気付かされました。

ファンクショナル・アプローチ基礎研修:2日目

前日は脳がパンパンになった状態で帰宅しているので熟睡できました。これは参加者全員が共通していたようです。。。

さて、1日目の続きから始まり、FASTダイアグラムを完成させた後、それぞれの構成ごとにキーとなるファンクションが現れます。これがキーファンクションです。私のグループでは4つのキーファンクションが発生。


2日目のランチは、ホテルニューオータニ特性サンドウィッチ。サーモンが旨い。


しばらく脳を休めながらホワイトボードと格闘。


その後、ファンクション別分析を行います。要は、「今まではどこにどの程度のリソースが割かれていたか?」を具体的に表す作業です。改善を行うには現状把握が不可欠というわけですね。これはリスティング広告でも同様です。

この辺りからは書籍では紹介されていないより具体的な手法となる為、画像のみの公開となります。というか、これを言葉では全部書きあわらすのがかなり難しい…。


キーファンクションごとにまとめたものが上図。このあと、現状と理想の乖離をより明確化する為に、低減余地を求めます。

ここでの乖離が大きいものをいくつか選択します。

乖離が大きいものほど、改善の余地があるということですね。

ファンクショナル・アプローチ基礎研修:3日目


改善の余地があるものごとにブレインストーミングを行います。ルールは批判禁止、自由奔放、アイデアの量、だけで、ひたすらアイデアを出していきます。ここまで本格的なブレストは初めてでした。グループメンバーはこの時点ではまだ他人なので批判できませんからね、これはアリです。


アイデアを出し尽くしたら、そのアイデアを機能性と経済性で評価します。ここで×が付くものは実現性が限りなく低いので思考から外します。


△、○が付いたものは全て図化します。これはアクセス解析やリスティング広告でも同様ですが、可視化することでより具体的に理解を深めることができますし、新しい気付きをもたらすことが出来るためです。

更にそれらの図を全てホワイトボードに貼り、類似している図ごとにグループを作り、グループごとに名称を付けます。


3日目のランチは、ホテルニューオータニ特性ガーリックピラフ。何でもないサラダに山菜入れると美味しいのね。初めて知った。


各グループごとにアイデアの具体化・洗練化を行います。組み合わせたアイデアに対し、そのアイデアが実施されたときのことを想定して、それぞれのアイデアごとに利点と欠点を出していき、欠点があるものはその欠点を克服することができるアイデアも盛り込んでいきます。


各代替え案の中から、価値の高いであろう代替え案を選択し、具体的な数字で価値が向上していることを確認できれば、完成。

全部で3グループあったのでそれぞれでプレゼンし、経営者視点で採用するか採用しないかをそれぞれに評価してもらいますが、私のグループは100%採用を頂きました^^

ファンクショナル・アプローチ基礎研修へ行ってきた/感想/まとめ

このような流れがファンクショナル・アプローチ基礎研修でした。覚書の要素が強い為、この記事だけですべてを把握することは不可能だと思います。申し訳ないです。

私はロジックツリーや思考プロセスを日常的に利用していますが、ファンクショナル・アプローチはその両方とも近しいものですが、全く異なるものだということがはっきりと理解できました。今回参加するまでは類似したものだと感じていましたが… あくまで私の場合です。

個人的な感想としては別業種を題材にしたというのも良かったかもしれないですが、ここまで1つの事に深く深く向き合って改善を探り出すのは仕事以外では確実にない為、多くの気づきを見つけ出すことができました。また、途中途中で何度も思考停止に陥るんですが、横田氏が助け船を出してくれるのでなんとか乗り越えられるようになり、ありがたいです。これこそがファンクショナル・アプローチ基礎研修へいくメリットになり得ます。

尚、本プログラムでは書籍に書かれていない本当に重要な箇所(個人的に)などが目白押しで紹介されるので、ファンクショナル・アプローチを本格的に学びたい方々には非常に有効なプログラムだと思いますし、唯一無二のプログラムである為、激しく推奨します。

問題の解決手法、物事を深く理解する手法、新しいビジネスを生む手法など、さまざまな箇所にファンクショナル・アプローチは有効です。

ここでは書ききれていないほどに多くの学びがあります。ご興味のある方は下記からどうぞ。

株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所

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