オークション分析レポートは競合を丸裸にする。

マーケティングにおいて競合他社の動向調査、ポジショニングの確認などは必須事項の一つであり、最重要項目といっても過言ではありませんが、リスティング広告においてもそれらは例外ではありません。

これまでは実際にGoogleやYahoo!などの検索エンジン上で特定のカテゴリーを指すキーワードなどで実際に検索をかけ、どのような競合がいるのかなどを確認していたケースなどもあることでしょう。人力では勿論、企業によっては特定の時間に特定のクエリを投げてデータを取得するなんてこともあったでしょうが、それで取得できるデータはあくまで表面的なものに過ぎません。

今回Google AdWordsよりリリースされたオークション分析レポートを使えば、より深く競合他社の動向を調査することが可能になります。使い方は簡単です。


特定のキーワードにチェックを入れ、[キーワードの詳細]より[オークション分析(個別キーワードのみ)]を選択するだけです。

以下はオークション分析レポートの注意点です。

  1. リリース時にはモザイクのような絵柄が入ったキーワードのみが対象だったようですが、2012.06.01現在ではモザイクが消えているケースもあり、気になるキーワードを上記のようにすればデータが取得可能です。
  2. キーワード単位でしか見ることができません。
  3. 今のところデバイスを問わず取得可能。
  4. 一定上のデータボリュームが必要です。
  5. 日付を変えればデータも変動します。


[自分]と記載された緑色のゾーンが自社のサイトの状況です。ここで表示されるのは[平均掲載順位][インプレッション シェア][重複率][上位掲載率][ページ上部表示率]の5つです。それぞれの説明はAdWordsヘルプより。

平均掲載順位
平均掲載順位は、同じオークションにかけられた他の広告主様と比べ、お客様の広告がどの程度のランクかをすばやく判断できる指標です。平均掲載順位はオークションにおける広告の平均ランクです。広告はランクによって検索結果ページに掲載される順位が決まります。

インプレッション シェア
インプレッション シェアは、実際の表示回数を、表示される可能性があった回数の推定値で割った割合です。表示可能かどうかは、現在の広告のターゲット設定、承認ステータス、入札単価、品質スコアによって決まります。オークション分析レポートでは、同じオークションにかけられた他の広告主様のインプレッション シェアも参照できます。

重複率
重複率は、同じキーワードについて、お客様と他の広告主様が同時にインプレッションを獲得した割合を表します。

上位掲載率
上位掲載率は、お客様以外にもインプレッションを獲得した広告主様がいたオークションで、他の広告の方が上位に掲載された割合を表します。

ページ上部表示率
お客様の広告(または他の広告主様の広告)がページの最上部(オーガニック検索結果の上)に掲載される割合を表します。

ここで着目すべきは[インプレッション シェア]と[平均掲載順位]でしょう。

これまでのインプレッションシェア・インプレッションシェア損失率で確認できたのは自社のもの(しかもキャンペーン・広告グループ単位のみ)だけでしたが、今回のオークション分析レポートでは競合他社のインプレッション シェアをキーワード単位で見ることが出来るようになりました。これにより、競合他社は特定のキーワードでどの程度配信し続けているのかをURL単位で可視化できるようになります。

また、平均掲載順位でも競合他社が平均してどの掲載順位にいるのかを可視化できるようになります。これらを利用し、自社の予算や配信時間帯などを加味して競合他社のデータと比較することができれば、競合他社がどの程度の予算を使って配信しているのかを見ることができるようになります。

尚、あくまで特定の検索クエリを利用した場合の競合データになるので、完全一致や部分一致、フレーズ一致や絞り込み部分一致などのキーワードマッチまでは加味されておりませんのでそのあたりは注意が必要です。

しかしまぁ、リリース当初は軽視してましたけど、こうやって時間をかけてみていくと競合他社の状況がある程度仮説通りだったとしても、丸わかりになってしまうんですよね…。常に競合他社を意識している人には新しい提案が出来るツールですし、キーワードなどによってはポジショニングを再考できる非常に便利な機能だと思います。

中でもBIGキーワードでの戦い方などにはかなり重要視される機能になるはずですし、ブランドネームや独自のサービスネームなどのキーワードでは重宝されそうです。

とはいえ、手の内がここまで見えてしまうというのもなんだか嫌なものですねぇ。。。

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参照:[人材募集] リスティング広告プロフェッショナル

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