Google アナリティクスを使ってディスプレイネットワークを正当に評価しよう

「一定期間ディスプレイネットワークを配信していたんだが、どうもコンバージョンを生まないようだから現在は停止している。」

もうどこにいってもそんな話を聞く昨今であります。経験則で申し訳ないですが、日本の中の9割の方々はディスプレイネットワークを停止してしまっているのではないかと私は思うのですよ。(リマーケティングは動かしてるけど…)

場合によってはなかなか獲得につながらないコンテンツターゲット、インタレストカテゴリー、トピックターゲットなどなど、ディスプレイネットワーク関連の停止が目立ちますが、そのディスプレイネットワークは本当にコンバージョンに結びついていないのでしょうか?本当に全く貢献してないのですか?

こういったことは一度しっかりと知る必要があります。その商材ではディスプレイネットワークは本当に貢献してないのかどうかを。

そんな時、Google アナリティクスのマルチチャネルを利用すればディスプレイネットワークの貢献度を明確に判断することができます。


[Google アナリティクスへログイン]→[コンバージョン]→[コンバージョン経路]→[セカンダリ ディメンション: 参照元パスorキーワードパスでも可能]を行うことで、実際にコンバージョンになった軌跡を辿ることが可能です。

ここまではGoogle アナリティクスをリスティング広告に利用する際に出現する5つの特殊な語句でも解説しました。問題はここからです。

Google AdWordsのコンバージョンタグの仕組みではラストクリックのみをコンバージョンと定義してます。つまり、Google AdWordsを複数回クリックしても、管理画面にコンバージョンとして映るのはラストクリックとなったものだけになります。ここまでは何度か当ブログでも言及してきました。

つまり、以下の様な状況の場合には、ディスプレイネットワーク上にコンバージョンとして表されないということになります。

  1. [ディスプレイ]→[有料検索]
  2. [他の広告]→[有料検索]
  3. [ディスプレイ]→[オーガニック検索]→[有料検索]→[オーガニック検索]
  4. [他の広告]→[ノーリファラー]→[有料検索]

※[ディスプレイ]=イメージ広告
※[他の広告]=テキスト広告

いずれも[有料検索]上にコンバージョンが加算されていきます。しかし、この[有料検索]はディスプレイネットワークという”きっかけ”がなければ起こりえなかったコンバージョンとも言い換えることができるかもしれません。

今回の記事を通して僕はディスプレイネットワークを配信し続けろと言いたいわけではなく、直接のCPAだけで安易に判断するのではなく、この思考を使えばディスプレイネットワークを停止した時にどの程度のコンバージョンが減少する可能性があるのかを予測することができるので、それを踏まえた上で停止するという措置をとっても良いのではないか?という提案です。勿論、コンバージョンを増加させる為にもこの思考法は利用できますよね。

直接的なコンバージョンで計らなければ説明が出来ない、という気持ちも十分にわかります。元来リスティング広告はそういった思考が強いものですし、現場ではその気配は未だ衰えることを知りません。完全なるラストクリック至上主義です。ただ、ある程度CPAに余裕があり、更にコンバージョンを増やしたいなどの要望があるのであれば是非トライすべきことであると僕は思います。

これらの延長線上には適切な重み付けによりアトリビューション分析があるのではないでしょうか。

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尚、個人的で大変恐縮でありますが、2012年現在の状況に置いてビュースルーコンバージョンに関しては若干懐疑的な意見を僕は持ちあわせていますので、ここでは言及はいたしません。

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